ドラマ「嘘の戦争」から学ぶビジネス術〜仕事の成功率は下準備で決まる〜

投稿日: カテゴリー: コラム, ビジネス論

 

元SMAPの草彅剛さんが主演しているドラマ、「嘘の戦争」を見たこととがあるだろうか?

幼いころに両親と妹を殺害され、人生を狂わされた男が、詐欺師となり、その復讐を果たすべく、嘘を武器にその関係者達を追い詰めていく。
この作品はストーリーこそシンプルで、勧善懲悪。
いかに草彅剛演じる一ノ瀬浩一が、その憎むべき相手を落とし込むか、という痛快さが軸だ。

しかし、一方でその一ノ瀬の用意周到な復讐の裏には、ビジネスに落とし込んでも十分に使える仕事術がある。

今回はそんな、ドラマ「嘘の戦争」から学ぶ仕事術の話し。

1.情報収集をしよう

上司に何か仕事を頼まれたとき、あなたは何から始めるだろうか?

企画書を出せ、と言われて、いきなりワードやパワポを立ち上げるのは残念ながらやめた方が良い。
断言しても良いが、それは時間のムダだ。

なぜなら、「何の情報もないところからは何も生れない」から。

もちろん、すでにこれまでの人生において、いくつもの企画を提出することが可能なだけの経験や実績があれば別だ。
その事前知識があれば、今朝読んだネットニュースの見出しからだって企画を捻出することは出来るだろう。

でも、残念ながら20代、30代のボクらではそうはいかない。
一部の天才と呼ばれる人たちをのぞき、凡人には「情報収集」という第一段階が必要になる。

ドラマでは、一ノ瀬はこれをさり気なくやっている。

復讐対象者の親族に近づくことで情報を得ることはもちろん、その仲間に復讐しているときでも問いかけを忘れない。
そこから新たな情報を得ることで、次の復讐へとつなげていく。

逆を言えば、一切の情報もないままに一ノ瀬は用意周到な復讐劇は行えない、ということだ。

闇雲に計画をひねり出しても、望むような結果は得られない。

もし、あなたが新しい企画書を作る必要があるなら、まずは情報を収集しよう。

インターネットの検索だけでなく、過去に同じような企画を成功させた先輩がいれば話を聞きに行く。
地域密着のスーパーマーケットを対象にした企画なら、そこには足を運ぶべきだ。

情報とは、すべての基礎であり、基本だ。
デスクの上では生まれない発想は、情報収集の掛け算によって生み出すことが出来る。

これはなにも企画に関してだけの話しではない。

あなたが営業マンなら、その企業に営業に行く前にどれだけ情報を収集できるか、がポイントなのだ。

一ノ瀬はドラマの中で、復讐対象者に近づく際、その人物が野球好きだと知り、自分の趣味も野球だとFacebookに書き込むことで会話の糸口を掴んだ。
ささいなことではあるけれど、こうした小さな努力が大きな契約成立の入り口だったりするのだ。

仕事をする上で、知らなくて良い情報なんてない。

いま、仕事が上手く行かず苦しんでいるのなら、がむしゃらに情報収集をしてみるといい。
どこかのタイミングで、霧が晴れたようにビジネスの視界が開けるハズだ。

ちなみに、ドラマのなかで一ノ瀬は後日、野球に誘われることになる。
もちろん、近づくための嘘なので、一ノ瀬は野球経験ゼロ。
さてどうしたか?

そのあたりは機会があればぜひドラマを見て欲しい。

ささやかながら、そこにもう一つのビジネスに通じる大事なポイントが隠されているから。

2.仲間との役割分担を明確にする

上司や先輩から任された仕事がある。
社会人なら当然だ。

でも、その仕事って本当に1人でやらなくちゃいけないことだろうか?
仲間を集めて、仕事をシェアし合うことでもっと効率的かつ簡単に終わらせることは出来ないだろうか?

そのヒントも、このドラマ「嘘の戦争」の中にある。

一ノ瀬の仲間はけっして多くない。
それでも、一人ひとりが自分の役割を把握し、分担しながら相手を追い詰めていく。
エリート銀行マンを麻薬密売の罪でハメた回なんかは秀逸だった。

さて、この考えを仕事術にあてはめてみよう。

いま、あなたが抱えている仕事はいくつの階層に分かれているだろうか?

例えば、営業で月間3件の売上をノルマに課せられているとする。
仮にその3件を取るために、あなたは30件の会社を訪問する必要があるとして、そのアポを取るために300件の電話が必要だとしよう。
それをひとりでこなすとなるとなかなか大変だ。

月の営業日数が仮に30日だとして、1日で10件の電話と1件の訪問をこなさなくちゃならない。
ただ電話をすればいいというものではないだろう。
ちょっとした雑談ネタを用意したり、相手の反応にあわせて紹介する商品を組み替えるひつようだって出てくる。

アポが取れた!とよろこでいる場合ではない。
全ての会社に当てはまる万能提案書なんて、この世には存在しない。
その企業や人にあわせた資料作りが必要だ。
1日に1件のアポなら、すべてその日のウチに完了してなくてはならないだろう。

もちろん、資料を作って終わりではない。
1日1件は営業訪問しないとノルマが達成出来ないのだから、資料作りにクタクタのアタマを抱えて出かけるハメになる。
そんな精も根も尽き果てたような状態で、ちゃんとした契約は本当に取れるのだろうか?

しかも、こんな簡単な単純計算ではあるけども、30日の営業日で考えてみての結果だ。
休みなく働いてこれでは効率が悪すぎるだろう。

ではどうするか?

得意分野が異なる仲間を集めれば良い。

電話対応に長じ、何件かけてガチャ切りされてもびくともしない鉄の精神をもつ電話担当。
資料作りが上手く、相手先が望む情報を上手く整理しながら、わかりやすいテンプレートに落とし込める資料作成担当。
そして、堂々のプレゼン力を持ち、訪問先企業の圧倒的な営業獲得率を誇る訪問担当。

実は、企業は大きくなればなるほど、この3つの能力は別部署として機能していたりする。

テレアポを外注し、デザインチームが美しい資料をつくり、営業がそれを武器に戦うのだ。

でも、それを社員同僚とやってはいけないと誰が決めた?

ようはルール作りの問題だ。
契約を決めた訪問担当だけがすべての評価を得るのではやってられないだろうが、3人のチームとして成果を三等分できるのなら、ぜったいその方が良い。

テレアポが得意な人間が、1日に45件の電話をかけ、資料作成が得意な人間が1日に5つの資料をつくり、訪問が得意な人間が1日に5社を回る。
これだけで、いままで30日かかっていた仕事が20日で終わる計算になる。

まぁ、実質移動を考えると1日に5社の訪問は楽ではないかもしれない。
でも、少なくとも週一の休みは確保できる。

社内分業がダメ、なんて規則は無いはずだ。

自分の得意、不得意を把握して、それを補い合う仲間をみつけよう。

きっと、仕事の効率が圧倒的に上がるハズだ。

3.次善策を用意する

ビジネスにおいて、上手くいくならそれはもちろん嬉しいことだ。
でも、いつもいつも上手くいくとは限らない。

大事なのは、最初に思い描いた結果に至らなくても、慌てないことだ。

すぐに次善策の提案が出来ればイイ。

この時大事なのは、最初からプランB、プランCくらいまで用意しておくことだ。

一ノ瀬は、ドラマのなかで正体がバレそうになるたびに新し手を打つ。
天才的なイメージを演出するため、ドラマの中では思いつきのように描かれている部分もあるが、現実に置き換えたら決してそうではない。

例えば、オーストラリアにいる別の人物を自分だと思い込ませることで作戦を有利に遂行してきた一ノ瀬。
だが、その人物に疑いの目が向けられる。
そこで一ノ瀬は実際にその人物を日本に呼び寄せることで見事に疑惑の矛先をかわすのだけど…

オーストラリアから日本まではどんなに急いでも12時間はかかる。
それが昨日今日の準備で自分の思い描くタイミングで来てくれるとは限らない。

実際は前もって自分の計画の破綻を予測し、次善策を練っていたに違いないのだ。

これはどんな仕事でも大事なことだ。

例えば、これは手前味噌な例になってしまうが、去年から営業をかけさせて頂いている大手飲食チェーンさんがいる。
パンフ、チラシ、動画など、いろんなクリエイティブツールの制作を請け負うことで話しは進んでいた。

一方で、年度内予算ですべてを発注することは難しそうな雰囲気もあった。
そこで、役員同席の最終プレゼンで、予め用意していた次善策を披露することにした。

1つは年度内納品ではなく、4月期での納品として話しを進めること
もう一つは、動画制作を切り分け、来年の後半にあらためて提案の場を設けさせてもらう、というものだった。

普通に考えれば、これは当たり前のことのように思うかもしれない。
でも、実際に売上を自身で管理していると、いろんな考えが浮かび、なかなかその判断が出来ないことが多い。

例えば、ウチの会社としては年度内で売上を立たせたいという思惑もあるし、動画案件だっていまのうちに契約してしまえば、今後はコンペで…みたいな話しになるリスクも減る。

だが、それはおそらく大局を見れてない、ということなんだろう。
次善策の提案なしに、最初から提案書通りの話ししかなければ、全ての話しがなくなっていた可能性だってある。

相手の利益をまず考え、納品物に優先順位を付け、相手有利な売上の建て方をした。
それは、現場担当者との打合せの空気感で判断したものだ。

次善策を用意する。
出来れば、なるべく多く。

これはどんな小さな仕事でも意識しておいたほうが良い。

上司に企画を出せ、といわれたら、A案だけでなく、B案、C案を出すくらいの気概は欲しい。
なんなら今後予想される企画テーマを先読みして、上司に「企画書を…」と言われた瞬間に提出するくらいのことをしてもいいだろう。

その企画が通るかどうか、よりも、君が「先読みして動ける人間だ」とわかってもらえるだけでもやる価値がある。

仕事は追われるものじゃなく、追うものだ。

それは、復讐劇という舞台の違いはあれど、「嘘の戦争」が教えてくれる大事なテーマの1つだ。

自分が主体的に仕事に取り組む限り、いつだって仕事はオモシロイ。